多肉植物とは、乾燥した環境でも葉や茎、根などの内部に水分を貯蔵する仕組みを持った植物の総称です。
多肉植物はぷっくりした可愛らしい見た目のものが多く、特に小型種は近年インテリアとしても注目を集めています。多肉植物は、数千種が9科に分類されています。
サボテン科も多肉植物に含まれますが、種類が非常に多く、 園芸界ではサボテンとその他の多肉植物を分ける事が一般的です。
多肉植物の育て方として一番大切なのは光、風通しと水やりです。
日当りのいい場所でよく日にあてて育てることが大事です。光が足りないとヒョロヒョロと徒長してしまい、葉の色も薄くなってしまいます。
また、多肉植物は、風通りのよい場所を選んで置いてあげることも大切な育て方のポイントの一つです。
多肉植物の水やりは、1年を通して基本的に少なめでよい植物です。
一年の中でも、春と秋は多肉植物がとても成長する時期です。土の表面が乾いていたら、たっぷりと水やりをしましょう。
多肉植物は、夏はあまり水をあげてはいけません。また、冬は多肉植物の成長もストップするので、夏と冬は水やりをほとんどしなくても大丈夫です。
これは多肉植物の基本的な管理方法ですが、夏型や冬型など多肉植物の各種属ごとに管理方法は異なるので注意が必要です。
多肉植物の種類と育て方(水やり、置き場所、季節ごとの管理、土)をご紹介します。
多肉植物の種類、一覧と育て方(水やり、置き場所、季節ごとの管理、土)
水やり
・春、秋の水やり:多肉植物のほとんどの種類が、成長期なので、乾いたらたっぷり与えます。
・夏の水やり:月1、2回程度、『夕方』に少し水をあげるといいです。
・冬の水やり:月1、2回程度、『暖かい午前中』に少し水をあげるといいです。
置き場所
・日当たりがよく風通しのよい場所
・直接雨にあたらない場所
・真夏は西日があたらない場所
・夏は直射日光を避け、涼しい半日陰
・冬は霜が当たらない、日当たりの良い場所、室内、温室がおすすめ。
土
・水はけと保水がよい用土
・市販の用土、または赤玉土と堆肥の混合でもOK
肥料
多肉植物はゆっくりと成長するので、肥料は基本的に必要ありません。肥料をあげすきると、紅葉しなくなってしまいます。
多肉植物は、化成肥料は使わず、植え替え時に窒素分の少ないゆっくり長く効くの有機質肥料を鉢底に入れてあげるのがよいです。
植え替えの時期
多肉植物の植え替えは、春または秋。成長の始まる前に行います。
病気と害虫
多肉植物は、鉢を雨ざらしにしておくと黒点病が発生することがあります。
害虫としては、アカダニ、アブラムシ、コナカイガラムシ、ネジラミなどあります。
季節ごとの管理方法
◎春(3~5月)の育て方
多肉植物がよく成長する時期です。土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。
春になるまでずっと室内で保管していた場合はいきなり外に出さず徐々に慣れさせてから移動させます。
夜間の冷え込みが激しく霜が降りる地域では室内や温室に取り込みます。
◎夏(6~8月)の育て方
湿度が高くなる夏はほとんど水やりの必要はありません。
夏の水やりは、月に数回、葉水(植物の葉に直接水をかけること)程度で大丈夫です。
この季節は、直射日光を避けて半日陰の涼しい場所に置きます。
梅雨の時期は特に直接雨が当たらない場所、風通しのいい場所を選んでください。
閉め切られた部屋ではなく、できるだけ風通しのいい場所がよいです。
室内で育てる場合はクーラーの風が多肉植物に直接当たらない場所に置いてください。
◎秋(9~11月)の育て方
気候が落ち着いて再び成長する時期です。日光の当たる場所に移動させてたっぷりと水やりをします。
この時期は、多肉植物も紅葉します。
◎冬(12~2月)の育て方
ほとんど水やりは必要ありません。冬の水やりは、月に数回、暖かい午前中に行います。
屋外に出す場合は日当りのいい場所に置いて霜が当たらないようにしてください。
室内に置く場合は日中は日の当たる窓辺に置いて夜は霜があたらないよう窓から離します。
多肉植物の種類(原種、品種、名前、仲間)の特徴と育て方
アオエニウム属
アオエニウム属の多肉植物は、とても丈夫な品種ですが、霜が降りる寒さと蒸し暑さは苦手です。日当たりのよい場所なら室内でも育ちます。
人気種の黒法師は、つやのいい黒っぽさを出すためには、よく日に当てることが必要です。
アロエ属
アロエは、高温多湿が苦手なので水はけの良い土で育てます。
霜が降りる低温に注意する程度で基本的に育てやすい種類です。夏は水やりの回数を少なくします。
ポリフィラなどの 高山性種の一部は、暑さに弱いので育て方に注意が必要です。
エケベリア属
エケベリア属の多肉植物は、日光を好むので、しっかりと日に当てます。夏は暑さが苦手なので、風通しに気をつけます。
寒さには比較的強いですが、霜が降りる真冬は室内に取り込みます。
白っぽく粉をふいた品種は、触れると粉が とれるのでなるべく触れないように育てます。
エケベリア属の多肉植物は、白い粉をまとった品種は雨を避けて注意して育てるときれいに育ちます。春~秋は戸外で育てて問題ありません。
カランコエ属
カランコエは、丈夫ですが熱帯性植物なので、冬は室内で水を控えるのがコツです。
寒さに弱いので、冬は室内で夏の暑さにも弱いので、夏は風通しの良い場所に置きましょう。
カランコエ属の多肉植物は、夏・冬とも水やりは控えめにしましょう。その他の季節はたっぷりと水と日光を浴び させ、戸外で育てられます。ただ、月兎耳などの有毛種は軒下で育てます。
グラプトベリア属
グラプトベリア属の多肉植物は、比較的簡単に育てられますが、日光を好むので室内での栽培には不向きです。風通しに注意が必要です。
クラッスラ属
クラッスラ属の多肉植物は、日当たりが良く、風通しの良い場所で育てましょう。
夏は強い日射しを避け、半日陰に置くと良いです。冬は霜が当たらないように注意が必要です。
クラッスラ属の多肉植物は、乾燥に強く丈夫で育てやすい品種です。
クラッスラ属の多肉植物は、高温多湿の時は水やりを控えます。 凍らない程度であれば、一年中戸外で育てる ことも可能です。
コチレドン属
コチドレンは、日光を好むので、基本的に外での栽培をおすすめしますが、暑さが苦手なので夏は強い日射しを避け、風通しを良くしましょう。
秋の冷たい長雨はさけて、日当たりのよい場所で管理します。 冬は日当たりの良い窓辺などで育ててあげましょう。
セダム属
セダム(マンネングサ)は、育てやすいので、初心者の方でも大丈夫です。 日光を好むので、日当たりが良い場所で育てましょう。
群生する種類は夏の暑さには苦手なので、水やりを控えて風通しの良い場所に置きましょう。
春と秋 夏の高温多湿に注意。通風良い乾燥した場 所に置く。 一部の種類を除き耐寒性があリます。
セネシオ(セネキオ)属
セネシオ(セネキオ)属の多肉植物は、暑さ、寒さに強く、育てやすい品種です。
春から夏にかけてしっかり光に当てて水やりをすると、大きく成長します。
ハオルチア属
ハオルチアは、暑さ、寒さに強く、育てやすいです。 完全に根が乾いてしまうのを嫌うため、他の品種よりひんぱんに水やりが必要です。
パキフィツム属
パキフィツム属の多肉植物は、丈夫で育てやすいですが、夏の蒸れには注意が必要なので風通しの良い場所に置いてあげます。水やりは少なめでOKです。
ミセバヤ属
ミセバヤは、日本原産種で、もともと気候が合っている ため非常に丈夫。
夏の蒸れには注意が必要です。
