多肉植物は、春~秋に生育し、冬に休眠する「夏型多肉植物(夏型種)」と、秋~春に生育し、夏に休眠する「冬型多肉植物(冬型種)」の生育タイプがあります。
「夏型種」の生育タイプだからといって、耐暑性が強いとは限らず、「冬型種」だからといって耐寒性が強いとは限りません。
「夏型種」の多肉植物でも蒸し暑さに弱かったり、水やりの加減を間違うと夏に腐りやすい多肉植物もあれば、冬に休眠する「冬型種」で、きわめて寒さに強い多肉植物もあります。
春と秋に生育し、夏と冬に休眠する「春秋型多肉植物(春秋型種)」:耐暑性のない夏型種(低温夏型種)と、耐寒性のない冬型種(高温冬型種)の総称という分類もありますが、地域による違いもあり実際の扱いは、ほとんどが「夏型種」、「冬型種」に区別され、「夏型多肉植物(夏型種)」、「冬型多肉植物(冬型種)」にの2つに分類されています。
ほとんどが「夏型種」、「冬型種」に区別はされますが、春と秋に生育する「春秋型種」も存在します。
育て方としては基本的には冬型と夏型に分けて管理します。
・冬型の多肉植物は、秋から春によく生息し、夏は暑さで休眠します。
・夏型の多肉植物は、初夏と秋によく生育し、冬は寒さで休眠します。
冬型と夏型はの多肉植物の生育期が異なるので、育て方も若干異なってしまいます。春秋型と分類される多肉植物もあります。
多肉植物の生育(「夏型」「冬型」「春秋型」)と育て方について
夏型、冬型、春秋型の休眠期について
冬生長型種 (冬型種) 夏の休眠期は完全断水 | 夏生長型種 (夏型種) 冬の休眠期は完全断水 | 春秋生長型種 (春秋型種) 適度な水やり周年必要 |
夏型多肉植物(夏型種)の育て方
置き場所
夏型の多肉植物は、基本的に日当たりがよく雨の当たらない所で育てますが、夏は暑過ぎるので30%ぐらい遮光するか午後の日差しを避けた所で育てます。
冬の耐寒温度は夏型で5度以上と冬型より寒さにやや弱いので、冬は日当たりのよい温室や室内で育てます。
水やり
夏型の多肉植物は、多湿に弱く、葉や茎に水を蓄えているので乾燥には強い植物です。
夏型は春と秋は鉢土の表面が完全に乾いて2、3日してからの水やり、夏はあまり生育しないので月に3回ぐらいの水やり、冬は休眠するので月に1回ぐらいの水やりにします。
植え替え
鉢底から根が出て根詰まりしていたり、2年以上植え替えていない株は植え替えます。
夏型の多肉植物の植え替え時期は春の5月から6月頃、秋の9月頃に行います。
肥料
夏型の多肉植物は、肥料は多く必要としません。夏型は生育期の5月から6月、秋の9月頃に、月に1、2回、2000倍ぐらいに薄めた液体肥料などを与えます。
冬型多肉植物(冬型種)の育て方
置き場所
冬型の多肉植物は、基本的に日当たりがよく雨の当たらない所で育てます。
冬型は特に高温多湿を嫌うので、梅雨時期は雨に当てないよう注意してください。
夏は強い日差しを避けた明るく涼しい日陰で育てます。
冬型の多肉植物は、冬の耐寒温度は冬型で0度以上と寒さに比較的強い方で、関東より南では戸外の霜の当たらない所で越冬が可能です。
冬に直射日光によく当てると、赤や黄色に紅葉する種類もあります。
水やり
冬型の多肉植物は、多湿に弱く、葉や茎に水を蓄えているので乾燥には強い植物です。
冬型の多肉植物は春と秋によく生育するので、春と秋の生育期間は鉢土の表面が完全に乾いて2、3日してから水やりします。
夏は高温多湿を嫌い休眠するので、ほとんど水は与えません。
冬はあまり生育しないので、月に3、4回ぐらいの水やりにします。
植え替え
鉢底から根が出て根詰まりしていたり、2年以上植え替えていない株は植え替えます。
冬型の多肉植物の植え替え時期は春の3月から4月頃、秋の9月から10月頃にも行えます。
肥料
冬型の多肉植物は、肥料は多く必要としません。冬型は生育期の4月から5月、秋の9月から11月頃に、月に1、2回、2000倍ぐらいに薄めた液体肥料などを与えます。
冬型、夏型か分からない場合
多肉植物は生息範囲が広く、冬型と夏型、また中間的な種類もあります。
同じ属でも冬型と夏型がある種類もあり、購入してもラベルに夏型、冬型など書いていないことが多いです。
どちらか分からず見分けられない場合は、冬型と夏型の両方ともの生育期が重なる4月下旬から6月中頃、秋の9月から10月頃を生育期と考え、水やりや肥料はこの時期に与えるとよいです。
植え替えは春の4月下旬頃か秋の9月頃に行い、冬と夏の間は休眠期と考え、水やりを極力控えるようにします。
多肉植物は乾燥地帯に生息しているので水切れに強く、水やりが少なくて枯らせてしまう事はあまりなく、逆に水やりが多すぎて枯らせてしまう事がよくあります。
