サボテンの殖やし方(増やし方)−胴切り、挿し木、接ぎ木、株わけ、実生
『胴切り、挿し木、接ぎ木、株わけ、実生』というサボテンの殖やし方(増やし方)、育て方についてまとめました。
胴切り、挿し木(さし木)
切り取ったサボテン(胴切り)を土に置いておけば発根するので、そのサボテンを挿し木するという方法です。
胴切り、挿し木(さし木)の方法
- (1)サボテンをハサミやカッターで胴切りします。
- (2)切り口のまわりを斜めに削ぎ落とします。切断面が乾いて凹んでも、根の出る部分が平らに近くなるので、発根した後、育てやすくするためです。
- (3)苗が日焼けしないように新聞などで包んで、切り口を1週間ぐらい乾燥させます。さらに風通りのいい日陰で1ヵ月ほど乾燥させます。
- (4)普通の培養土の上に乗せて、根が出るまでは、日焼けしない風通しの良い場所に置いておきます。
- (5)空の鉢に乗せて、放置しておくだけで、発根させてもOKです。切ってそのまま日陰に放置しておいても根が出ることもあります。
- (6)根が出てきたら、植木鉢に植えて、たっぷり水遣りします。
※切った元のサボテンは頭部を切られると、横からたくさん仔株が出てきます。わざと切り落として、群生株に育てるのも魅力的です。
子株の挿し木
簡単に親からはずれる子株は、そのまますぐに挿し木すれば新しい株ができ上がります。はずれにくいものは刃物で、親に傷をつけないように切り離します。よく拭きとってから、切り口を2、3日直射日光で乾燥させ、その後数日~10数日ほど日陰で陰干ししてからさし木します。
挿し木の用土は、砂、バーミキュライトなどを少し湿らせたものを使います。仔吹きのサボテンを植え付ける場合、土の中に植えるというよりは、サボテンを浅く土の上に乗せる程度で大丈夫です。直射日光は避けて、徐々に慣らします。根が出てきたら少しずつ水遣りをします。挿し木は春・秋がおすすめの季節です。 切り口が大きい場合は乾燥中に中心部がへこみ、挿し木に支障があるため、予め周囲の皮の部分を削り、中心部を突出させた状態で乾燥させた方がよい。
接ぎ木(つぎ木)
接ぎ木は別のサボテンの上に別のサボテンを乗せて、下のサボテンから栄養をもらって上のサボテンを育てる方法です。成長の遅いものを元気な台木で早く育てたり、栽培が難しい種類の貴重な種を保存させたいときや、根が腐りはじめて枯れてきているものを助けたいときなどに行われます。時期は、4~8月が理想です。雨が続くときはできるだけ避けます。接ぎ木には相性があるので上手くいきやすいサボテン同士を選ぶ必要があります。
- (1)台木となるサボテンは、胴切りした切り口の周囲を斜めにそぎます。この作業を怠るとサボテンが変形して活着しないことがあります。
- (2)つぎ穂となるサボテンを水平に切り、切った周り、肩の部分などを少しだけ斜めに切ります。
- (3)台木と穂となるサボテンを合わせ、離れないように糸などでくくりつけます。
- (4)何日間かはそのままの状態で日陰の乾燥気味の場所に置いておきます。糸は1週間ぐらい経ってからはずします。また、しばらくは結合箇所に水がかからないように管理します。
コノハサボテン、ハシラサボテン、ウチワサボテンなどを台木として用いることが多い。緋牡丹は葉緑素を持たないので、接ぎ木でしか育てることができないサボテンです。特殊な接ぎ方として、逆さ接ぎ、実生接ぎなどがあります。 穂木と台木のサボテンの種が異なる場合、相性によっては活着しなかったり、数年で台木を交換する必要が出てきます。ウィルス感染を防ぐため、1つのサボテンを扱うごとにナイフなどを消毒する必要があります。
台木
サボテンの台木には柱サボテン(竜神木・三角柱・袖ヶ浦・黄大文字等)、エキノプシス属(短毛丸・花盛丸等)がよく使われています。
接ぎ木(つぎ木)の種類
部分つぎ
イボや稜といった球体の一部分を接ぐ方法です。
逆さつぎ
穂となるサボテンの根の部分を上にして接ぐ方法です。
宝剣つぎ
杢キリンの硬い部分の先端をとがらせて、切りこみを入れた穂のサボテンにに突き刺し、穂がずれないようにピンなどで止めておく接ぎ方です。
柱サボテンの殖やし方
- (1)柱サボテンを輪切りします。
- (2)上の部分を間違えないように乾燥させてから土の上に置きます。
ウチワサボテンの増やし方
- (1)表裏に最低1本ずつトゲをつけた状態で何個かに切り分けます。
- (2)土の上に置いておくとそれだけで殖えます。
イボサボテンの増やし方
- (1)サボテンの大きめのイボを切り取ります。小さいと枯れやすいので大きいイボを選びます。
- (2)乾燥させてから土に、倒れないように少し埋めてさし木します。
実生、種から育てる
サボテンの花を受粉させると実がなります。出来た実から種を取り出し、種から育てる実生と呼ばれる方法です。
色々な個体変異の可能性もある育て方です。 サボテンは自家不和合性(同一個体同士では結実しない)という種類が多く、結実させるためには同種の別個体の花粉を授粉する必要があります。 果実や種子の大きさや形は種類によってまちまちですが、果実は緑色から赤色に熟すものが多く、種子は通常黒色が多い。
- (1)サボテンの熟した果実をガーゼなどで包んで、水中で採種します。
- (2)採種した種子を乾燥させます。
- (3)播種は、清潔な土を充分潅水させてから行います。発芽するまでは絶対に乾燥させないよう腰水(底面吸水)潅水を行います。
- (4)播種後は鉢の表面を新聞紙などで覆って、さらにガラス板などで覆います。発芽後は紙を取り除き、ガラス板の覆いを少しずつあけて育てます。
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